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まえおき
フィッシングカヤックとしてベストチョイスだと信じて疑わないホビーカヤック。
そんなホビーカヤックに新たなラインナップが加わったらしい。
それがホビーカヤックリンクス(HOBIE KAYAK MIRAGE LINX)。
興味深いので、ちょいと調べてみた。
商品概要
国内正規代理店のシグナルキャットのHPでは仮予約受付中(入荷日未定)として掲載されている(2021年6月5日現在)
商品説明は以下のとおり。
全長3.35m 幅91.5cm SUPに足漕ぎ装置(前進後進可能)とシート、ラダーを取り付けたスタイル。幅は91もあり安定感抜群です。シンプルな船体は非常に軽く持ち運びに苦労する事はありません。船底には魚探の振動子を収納可能な部屋「Fishfinder ready」があります。ラダーはハンドルやラダーブレード全てが簡単に船体から取り外しが可能なシステムです。カヤックカートは「HOBIE TRAX “2” CART」で大丈夫です。(引用:http://www.signal-cat.com/kayak.html) |
従来のホビーカヤックの大きさ、重たさに起因する車載や保管場所の問題でホビーカヤックを断念したり、他の軽量カヤックに乗り換えたいと考える人にとっての救世主になる可能性のありそうなモデルだ。
アウトバックやレボ13と比較
ホビーカヤック正規輸入代理店のシグナルキャットの国内販売価格などをもとに、愛艇レボリューション13(の最新モデル)、アウトバックと比較してみると以下のとおり。
LINX | OUTOBACK | revolution13 | |
価格(税抜き) | 375,000円 | 435,000円 | 400,000円 |
長さ | 3.35m | 3.89m | 4.09m |
幅 | 91.5cm | 86cm | 72cm |
船体重量 | 20.41kg | 38.56kg | 32kg |
※おそらく重量にはドライブは含まれないと思う。
短く太くて軽い。
特にその20kgという軽さは秀逸。
これならカートップ、高所保管も腰を痛める危険なくできそうだし、長さがないことと相俟って室内保管も可能になりそう。
金額はというと、確かにレボやアウトバックより安いけれど、大差というほどでもない印象。
安いからという選択ではなく、積載性や保管性などの性能面に着目した選択になりそう。
どういう人に向いてるかな?
まず、カヤックの場合、細くて長いほど速いのが普通。
※自分のハリケーンカヤックスのフェニックス乗り比べ経験によると、120フィートと130フィートでも特に直進安定性に大きな差があり、波打ち際での後ろからの押し波による転覆リスクに格段の違いがあった。
そういう意味では真逆のフォルムなので、遅いかも?と思うものの、非常に軽いので、そこはカバーされるような気もする。
また、従来のカヤックと比べると、縁が低くなっているので再上艇が非常にしやすそう。その面では安全性が向上しそうな気がする。
ただ、上の写真で見ると、船体がSUP同様、ほぼ水面に浮いているような感じなのに加えて、座面の位置が高く高重心。
幅が広いので沈はしにくいと思うけれど、船体の軽さも相まって、風に流されやすそう(フィンとラダーが水中に刺さっている分、SUPよりは流されにくいかもしれないけれど)。
また、波を超えて進む状況になると、水を切って進む感じにならずにバンバン水面を叩いてしまいそうな気も。
この高重心でその状態のカヤックに乗ってるのは少し怖そうだなと。
軽量が売りのフェニックス130からホビーカヤックレボリューション13に乗り換えて、まず感じたのは、ホビーカヤックは重いがゆえに風や波に強いこと。
その重い船体を苦も無く進めることができるパワフルなミラージュドライブとの組み合わせこそがホビーカヤック最強と言われる所以ではないかなと。
その経験からすると、カヤックを使用する環境によっては、水中に船体が突き刺さるようになるレボリューション13などを選択したほうがいい人もいるかも?とは思う。
というわけで、簡単かつ思い込みを踏まえた分析によると、ホビーカヤックの新風、LINKSはどちらかといえば、穏やかな湖や湾奥でのカヤックフィッシングを楽しみたい人に向いていそうかな、という気がする。
まぁ、一流メーカーが研究を尽くして開発した新商品、それがこんな素人の思いつくレベルの難点を克服していないわけがない、とも思える。
このド素人の知ったかぶりが本当かどうか、一度乗って試して確認してみたいところだ。