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オシアカルカッタ200HG ほぼ完全分解メンテナンス (洗浄~組立編)

洗浄&グリスアップして組立


38 分解したパーツはパーツクリーナーで洗浄する。一般的なパーツクリーナーは樹脂やプラスチックを痛めるので、クレのパーツクリーナープラスチックセーフという商品を使っている。

39 パーツクリーナーは吹きかけるイメージだけれど、いくらあっても足りないので、タマゴパックに液を貯めてドブ漬け洗浄していく。これで驚くほど汚れや錆びが落ちる。

40 大きなパーツは歯ブラシや歯間ブラシ、綿棒に洗浄液をつけてゴシゴシする。

この掃除には歯間ブラシが大活躍するので、予め入手しておくことをお勧め。太めのサイズがいい。

41. 歯間ブラシで狭いところを掃除中。

42 この猛烈に汚いベアリングも

43 ドブ漬して

44 すこし擦ると

45 見た目的にはかなり綺麗に回復。

46 クラッチ周辺も分解掃除済み。

47 全てのパーツがお風呂上がり状態に。無駄に眺めていたくなる。

48 次は組み上げていくけれど、シマノのリールに付属していることのあるオイルの他に、シマノプレミアムグリースを用意。スムーズな軽い回転も重要だけれど、多少それを犠牲にしても、とにかく塩の進入からパーツを守ることの方が重要という考えのもと、各所でオイルの上から塗っておく。

49 こちらが付属のオイル。まずは内部にこれを。

50 オイルやグリスを付けながら組み上げていく。

51 メインギアもこんな感じ。だけどこの時忘れ物が・・・

52 忘れ物にも気付かずゴール目前と思い、完成を急ぐ。

53 さぁ、カプッとやれば完成か?

54 とおもってカプッとやったけれど、忘れ物に気付く・・・
このパーツ、なくてもカプッとできるし、一見後からでもつけられそうだけれども、実は無理。
もう一度メインギアのところまで分解して取り付けざるをえない。

55 せっかくバラしたので、こんどは嵌合部にグリスを塗って浸水防止対策。

56 何とか問題なく復活。ベアリングのゴリは残っているけれど、それがあるから釣れないってもんでもないので、今回はそのままにする。そのうちベアリング交換しよう。

57 さて、終わった終わった、と愛器オシアカルカッタ200HGを眺めているとふと目に付いたボディーに空いた2つの小さな穴。スプール回転や洗浄などが原因で内部に侵入した水を排水するための穴らしいのだけれど、海水ザバザバ、ときにドブ漬けというひどい目に会うカヤックフィッシング用リールにとっては、その排水よりも、その穴からの浸水を防ぐのが先決。

メンテナンスするときは簡単に開きますよ、ということで強力な下水工事用ビニールテープでフタすることにした。

58 これで完成。この後、しばらく使ってみた結果、この穴を塞いだことでリールの不具合発生頻度が圧倒的に低下。メンテナンスフリー度がかなり高まった。(もちろん、通常の使用方法で、水が入るのは洗浄時程度の場合には、ふさがないで使ったほうがよいと思う。)

メンテナンスすると使うのが楽しみになるし、愛着わくんだよなぁ〜
海に落としてさようなら〜、とならないよう気をつけないとな。

フリクションリング自作でシマノの98ツインパワーなど古リールを再生

まえおき

カヤックフィッシング用のタックルは基本的にあまり高価なものは使わないようにしている。

過去何度か、ロッド&リールセットのまま海に献上してしまった経験があるのと、リールは海水がザバザバかかることもあるため、ダメになっても経済的ダメージの少ないように。

あとは、最新のリールはパーツが多く、内部までメンテナンスするのが難しい。

そんなわけで、自分が愛用するスピニングリールは98ツインパワー、02ツインパワーが基本(今回はベイトリールは省略)。

ドラグ性能などの基本性能では自分レベルの釣りには十分でありながら、メンテナンスし易くてとても気に入っている。

中古なら格安で買えるし、自分でメンテナンスすれば使えるようになるレベルの状態でもジャンクに近い値段で売っていたりするから、そういうものを買ってはメンテナンス。

ダメだったリールがよみがえるのが快感になった感もある。

修理するシマノのスピニングリール

今の手持ちラインナップはカヤック以外の釣り用も含めてこんな感じ。

02ツインパワー1000 1個
02ツインパワー2500 2個
02ツインパワーC3000 1個
98ツインパワー4000 2個
98ツインパワー6000 1個
98ステラ 8000 1個

そんなお気に入りのロートルリール達にはほぼ唯一といっていい弱点がある。
気持ちよくキャスティングしたつもりが、キャストした瞬間にベールが戻ってしまい、ルアーが戻ってきたりして危ない目にあったり、ジグなど重たいものをキャストするとラインブレイクしてしまう。
少し調べてみると、フリクションリングというゴムが切れたり、溶けたりしてしまうことが原因だと知った。

切れて外に落ちてくればまだましで、大抵の場合は、中で溶けてスプールに張り付いたり、内部にべっとりくっついている。

こうなる原因はおそらく、適当なメンテナンス。

過剰な注油でゴムが溶けてしまっているのではないかと思う。

単に長期間経過で溶けているのかとも思ったけれど、先日、非常に程度のいい、おそらく未分解の98ツインパワーを購入してみると、綺麗な状態のフリクションリングが残っていたので。

とにかく原因が分かったので、部品を取り寄せて修理しようと思ったけれど、そんな古いリールはもう部品がでない。

他のリールのものを流用しようにも、サイズが分からないし、番手が同じでも年式が違うと、かなり寸法が違うので、手あたり次第取り寄せないといけない。

そこで、ネットで調べると、市販の止水用などのOリングで代用できるようなので、サイズを調べてはOリングを探していたけれど、径があっても太すぎたりして、思うようなものを見つけるのには苦労していた。

必要な道具と材料

それが、先日、ホームセンターに行って、何気なくOリングをコーナーを見ていると、Oリングを作るためのゴム板が売っていた。

SANEI 水栓補修部品 パッキン用ゴム板 加工用 厚さ2mm 150mm PP10-0-L

これはいい!何でいままで気が付かなかったのか?

自分の好きなサイズで作ればいいなんて、簡単すぎる!

普通のゴム製品コーナーには厚さ3mmと5mmしかなかったので、2mmとリール用にちょうどいいこの製品を購入。

綺麗な円形にカットしたいので、カッターコーナーを見に行くと、コンパスカッターという丁度いい商品を発見。

オルファ:OLFA ラチェットコンパスカッター

即決で両方お買い上げ。

フリクションリング制作

家に帰り、早速フリクションリング作成に取り掛かる。

まずはフリクションリングのはまっている場所の寸法をノギスで計測。

そして、コンパスカッターでゴム板からリングを切り出す。

まずは外径に合わせてカットしてから、内径の線をカットするほうがうまくカットできた。

かなりいい感じに作ることができることがわかり、順次作成し、取付け。

02ツインパワー1000

〔参考寸法〕・・・誤差があるので、鵜呑み禁止
内径30.2mm
リング作成寸法 内半径14.5mm 外半径 16.5mm

02ツインパワー2500・C3000

〔参考寸法〕・・・誤差があるので、鵜呑み禁止
内径32.9mm
リング作成寸法 内半径16mm 外半径 18mm

98ツインパワー4000

〔参考寸法〕・・・誤差があるので、鵜呑み禁止
内径26.1mm
リング作成寸法 内半径12.5mm 外半径 14.5mm

98ツインパワー6000

〔参考寸法〕・・・誤差があるので、鵜呑み禁止
内径35mm
リング作成寸法 内半径17mm 外半径 19mm

98ステラ8000

〔参考寸法〕・・・誤差があるので、鵜呑み禁止
内径36.9mm
リング作成寸法 内半径17.5mm 外半径19.5mm

結局、ほぼ全てのリールのリングを作成して、実にスッキリ!
これからはいくらでも作れるかと思うと、早く劣化してもらうのが楽しみになった。