危険なカヤックフィッシングを少しでも安全に事故なく楽しむための情報 by海上保安庁

まえおき

カヤックフィッシングは危険!とか心配を煽るような記事を書いて、自分の安全への意識を喚起しているものの、時間が経てば、危険性に関する意識は薄らいだり、都合よくルールを変えてしまったりするのが人の性。

日々、そんな自分を戒めなければ、と思いながらカヤックの事故に関する情報を検索していると、大変参考になる情報を発見。

情報元は海上保安庁。

カヤックフィッシングのみならず、近年のアウトドアブームで楽しむ人が増えているSUP や釣りも含むマリンレジャー全般について、それぞれの装備、安全対策などについて細かく解説氏てくれている大変有難い内容。

遭難者からのSOSにより迷惑被る最大の被害者ともいえるので、本気の内容であること間違いなし。

事故情報は更新されるはずなので、最新情報はもちろん、情報元を確認するのが一番。

でも当然、そこには様々なアクティビティの情報が混在していて、一覧性には難があるので、その中からカヤックフィッシングに関係のある部分を抜粋(画像キャプチャー)して、まとめながら勉強させてもらうことにした。

枠内に記載しているのは、当方の私的コメントや感想です。

WEBサイト紹介

カヤックフィッシングを楽しむために、カヤック(カヌー)の危険性や安全対策を知るのはもちろん重要。さらに言えば、この記事では取り上げてないけれど、同じ場所で遊んでいる他のマリンレジャーの特性を知っておくことも必要かもしれない。

カヌーの安全情報

※なお、海上保安庁的にはいわゆるカヤックは「プレジャーボート」の中の「カヌー」の一つと分類している模様。

事故速報&事故発生状況

事故速報(R2.8.31現在)

やはり報道で目にする以上に多くのカヌーが事故に遭遇している様子。

北は北海道から、南は沖縄まで多様。

痛ましいことに、2名の死者も出てしまっている。

自分としては楽しく遊ぶために生きているのだから、遊びで死ぬ事は避けたいし、そのためにも全力で安全対策に取り組みたい。間違っても「命懸けで遊ぶ」なんて言いたくない。

ちなみに、山岳遭難死者を調べてみると、299人と桁違い。

母数の違いもあるだろうし、だから安全というつもりもないけれど、とんなレジャーも危険は付き物ということか。

下の「カヌーの種類と各部名称」にも記載されているけれど「復元不能」が多いことに注意が必要そう。

事故発生状況(R3.3)

ここ最近のアウトドアブームで、カヌーで遊ぶ人が増えれば事故が増えるのはある程度仕方ないとはいえ、ここでは遊ぶ人が特に多くなりそうな夏よりも、春・秋が多いのが注意点のような気がする。

やはり夏は比較的気候が安定するのに比べると、春は風が強く不安定な気候が多いし、秋は台風や、低気圧のウネリが多くなるのも影響があるか?

春は気温の上昇が先行するので、イメージするより水温は低いことも注意点だと思う。

事故原因については、海象気象不注意など、9割以上が人為的要因だというのだから、いかにカヤックフィッシングは危険で、細心の注意を払わなければいけないという意識を高く持ち続けるかが、非常に重要だと思う。

通算乗船年数が3年未満が事故の7割を占めるということで、やはり経験が浅い人が事故に会い易い。

もちろん長年経験していることによる油断も怖いけれど、3~4シーズン乗るうちに、ヒヤリハットな危険な場面を経験したり、軽い事故に遭遇しているケースも多いだろう。

車の運転でも思うけれど、事故は無いに越したことはないけれど、早い時期に軽めの事故を経験することで、危険性認識や安全に対する意識を高めることができる面もある。

仲間や先輩がいれば、リアルに危険性を教えてもらうことができるだろうし、そうでなくても今は動画などでも情報が溢れているので、しっかり疑似体験してから遊ぶことは非常に有益だと思う。

カヌーの種類と各部名称

危険性とは関係ないけれど「カヌーとカヤックって何が違うの?」とよく聞かれるので、「お上」がこう整理してくれると助かる。これからは「カヌーの一形態だよ」と答えられる。

シットオントップカヤックが、元々ダイビング用に開発されたものだったとは知らなかった・・・

というのはいいとして、ここで書かれている再乗艇の難しさは重く受け止める必要がある。

自分が一度経験した沖沈の際に乗っていたのは軽量が売りのハリケーンカヤックスフェニックス130。船体重量はわずか17kg。

しかし今乗っているホビーカヤックレボリューション13はドライブ含めると30kg近いはず。

確かに幅が広いほど転覆(沈)しにくい反面、復元は難しくなりそうなので「復元できずに漂流」しないよう、復元+再乗艇の訓練はしておくべきだ。

(といいつつ、自分自身、ホビーカヤックでは一度もやっていない・・・訓練で漂流したらどうしよう・・・)

推奨される装備品

標準装備品

ドライバッグは入れるものがなければ不要としても、その他のアイテムはまさに必須。忘れたら取りに帰るべきもの。

備えあれば憂いなし!

緊急時に備えた装備品

この中で自分が携行していないのはパドルフロートとファーストエイドキット。

パドルフロートは使い方を知ると、あれば再乗艇が楽になりそうなので、欲しくなるので今後検討。

ファーストエイドキットは、使い方次第では危険な釣り具を使って遊んでいる以上、確かに必要。すぐに手に入れて携行することにしたい。

パドルフロート

ヘッドライト

ダイバーナイフ

けん引ロープ

ファーストエイドキット

備えあれば憂いなし!

状況に応じた装備を推奨するもの

GPSはスマホと魚群探知機に搭載されている。

HONDEX(ホンデックス) 魚群探知機 ポータブルGPSプロッター魚探 PS-611CN GPS内蔵 5型ワイド

PLBは値段も張るしちょっとハードルが高い気もする。

ACR (エーシーアール) ResQLink View (レスキューリンク ビュー) 携帯用位置指示無線標識 フローティング機能付き GPS内蔵 ハイキング/ボート/あらゆるアウトドアアドベンチャー用 (モデル PLB 425) ACR 2922

リーシュコードはパドル、ミラージュドライブに設置。その他グッズもコードで繋いでいるけれど、身体とカヤックは繋いでいない。沈したときに絡まるのが怖いから。しかし、風や波が強いと、沈してカヤックと離れて追いつけないとも聞くので、状況次第で繋げるよう用意はしておいた方が良い気がしてきた。

方位磁石は・・・そういえば以前は時計につけていたけど、最近は持ち歩いてない。また持つようにしよう。

海図は魚群探知機と、スマホの地図で代用か。

行動食は少しだけ持っているけれど、本格的な遭難などに耐えられるようにはなってない。やはり有事に備えて充実させてほうがよいかも。キャンプ用品は、どうかあぁ・・・とりあえず行動食かな。

出航前の点検箇所

意外とやりがちなのが①ハッチの締め忘れ。カヤックフィッシング後に洗って、船体内部も乾燥させようと開けて、締め忘れたことが何度かある。

普通なら気がつくでしょ!なのだけれど、朝一、少しでも早く海に出たいと急いでいるとは、ついつい視野が狭くなり、ということは実際にあった。

そして、②のドレンプラグの締め忘れ。自分の沈を正当化する訳ではないけれど、船体内部の水をぬくためのドレンプラグは機能上、船尾の下側など目につきにくい場所にある事が多いので、開けると締め忘れの危険はそれなりにある気がする。

ホビーカヤックになってからは殆ど浸水はないけれど、フェニックス時代は3艇乗り換えたけれど、どれもそれなりに多少の浸水はあった。

ヒビ割れなどの破損でもない限りはスポンジなどで吸い取る事が可能な量なはずなので、ドレンプラグを使わず、吸い取る方が無難だし、自分は締め忘れで沈してから、一度もドレンプラグは開けていない。

転覆した艇から再乗艇する方法(セルフレスキュー)

この解説を見て、なるほどと思ったのはひっくり返ったカヤックを復元させる方向。

自分は沈した際、船底に空いたスカッパーホールに手を掛けて、手前側に引いて復元させたけれど、このように、水中で反対側の取手をつかんで、手前を持ち上げる方法もあるようだ。

ホビーカヤックレボリューション13の場合、どちらが楽に復元できるか試さないといけない。

沈した際に学んだのは、この再乗艇に際して、ライフジャケット(PFD)にたくさんモノを詰めたりポケットが多いと、邪魔になるということ。

装備することによる安全確保と、装備しない(別の場所に保管する)ことによる安全確保のバランスが大切だ。

気象・海象

まず、「初心者にとって風速5mを超える風が限界」というのは納得。足漕ぎカヤックの場合には、風だけ(ウネリや潮流が特に強くない)なら、これ以上でも行けると思ってしまうかもしれないけれど、ミラージュドライブやプロペラに何かトラブルがあって、手漕ぎしなければいけないとなったら、相当厳しい状況になることは間違いない。

先日は、風はないのに、潮流が激しくて、帰ってくるのにとても大変だったことがある。あの状況に向かい風の強風が重なっていたら足漕ぎでも大変だっただろうとちょっと怖くなる。

自分の場合、現在は天気予報の風速が0~3mの範囲内、遠くのポイントに行く際は、0~2mでなければ浮かないことにしている。こうすると、カヤックフィッシングできる機会はかなり少なくなってしまうけれど、仕方ないと甘受している。

風向き、波高、うねり、風浪、潮流、海流など、安全に楽しむためには気を配るべき要素が多いけれど、今はネットで情報が比較的簡単に手に入る時代。少なくとも天気予報は複数確認し、その他情報も可能な限り確認してから海に出るようにしたい。

まとめ

今回取り上げた、海上保安庁のwebサイトは必要な情報を網羅的に掲載するとともに、ときに詳しく注意点を記載するなど、注意を呼び掛ける熱意を感じる内容となっていると感じた。

免許不要で、気軽に楽しめるのが良いところのカヤックフィッシングだけに、自己責任による安全対策が強く求められる。

遊ぶためにやっていて、死ぬわけにはいかないというのが自分のスタンス。天気予報が悪かったり、体調不良だったり、道具に不備があったりしたときは「躊躇なく」(菅政権のお得意ワードを拝借)カヤックフィッシングを見送る勇気が大切だと肝に銘じて、これからも大いにカヤックフィッシングを楽しみたい。

(注)情報元には、この他に、「漕ぎ方」「受講が推奨される講習」「カヌー・SUPの安全啓発動画」など多くの情報が掲載されています。

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