オシアカルカッタ200HG ほぼ完全分解メンテナンス (準備~分解編)

まえおき


今まで色々なリールで試したけれど、カヤックフィッシングでのジグサビキのショットガン釣法、ジギングの良き相棒として愛用しているのが、オシアカルカッタ200HG

しかし、カヤックフィッシングでは、海面に近く、移動時に海水を被ったり、時に水没することもある過酷な環境での使用。

回転がゴリゴリしたり、クラッチが塩で固着したりとトラブルには事欠かない。

メーカー修理に出すと、オーバーホール含めると簡単に1万円以上かかってしまう。

それでも以前はメーカーに頼んでいたけれど、カヤックフィッシングの利点の一つであるコスパが著しく低下するので、ダメで元々、禁断のほぼ完全分解メンテナンスを決行。

分解するリール


分解するのはオシアカルカッタ200HG

事前準備など


さて、やるか、と思ってふと箱をみると、38,850円の値札!

こんなに高かったか!

やっぱり分解しないでシマノに出した方がいいかなぁ・・・と一瞬グラつくも、カヤックフィッシングで使い続ける以上、自分で分解くらいできるようにならないと、いくらお金があっても足りない、と思い直して分解開始。

なお、分解開始に際して必要(なくても慎重にやれば可能だけど、あったほうが安心)になるのは、パーツリスト。

今はありがたいことに、かなり古いリールでもシマノのHPでPDF化したものを公開してくれているのでそちらで入手。

さすがシマノ!

修理過程で必要になった補修パーツは上州屋などでも取り寄せ可能だけれど、いかんせん、時間がかかるので、ネットで注文が便利。

11 オシア カルカッタ200HG対応 オーバーホール用ベアリング バラ売り
ベアリングに関しては、純正品のほうが信頼性が高いけれど、安く抑えるなら、ミネベアなどで同サイズのものを探して購入することも可能。

分解作業


ハンドル中央のネジを外す

ちなみに、この手の作業、精密工具セットがあると、それ一つで賄えてとても便利。2000円もしない。

4 ネジと一緒にボルトが回転しないように装着されていた金具を取り外すとこうなる。

5 ハンドルを固定しているボルトを外す。

6 これでハンドルが外せる状態になる。

7 ハンドルを外すとこんな感じ。

8 ドラグ調整ノブを外すと下にナットがある。

この写真は間違いです。まずスプリングが上にあって、下にナットがあります。

9 ナットを外すと今度はスプリングが出てくる。

10 スプリングを外す。

11 ワッシャーを外す。

12 またワッシャーを外す。

13 さらにワッシャーを外す。

14 筒状の部品を外す。

15 スプールの軸の回転を調整するつまみ(メカニカルブレーキノブ)を外す。

16 ボールベアリングが出てくる。錆のせいで色がヤバい。

17 ケースの端寄りについているボルト(-)を2つ外す。

18 これでカパッと本体カバーが開く(開けるだけならハンドルなどはそのままで最初にこのネジを外すだけでOK)。

19 とりあえずスプールが取り出せる程度に分解された。

20 さらにメインギア側を分解するためケースの内寄りについているボルトを2つ外す。

21 外れた。

22 裏返してEリングを外す。E型の隙間部分に小さいマイナスドライバーの先端を入れてこじると外れる。外れた反動でビョーンとEリングが飛んでいかないよう、手を添えておくのが秘訣。

23 Eリングの下にさらにワッシャーが一つ。これも外す。

24 樹脂製のパーツがあるのでこれも外す。

25 続いて表側。ベアリングを抑えている金具を外す。これもマイナスドライバーで取れる。

26 一つ目のベアリングが外れた。この下にもう一つ。下のは錆びがスゴイ。

27 こちらも抑えの金具を外す。

28 これで外れるはずのベアリングが固着していて外れない。ここに差し込まれているパーツもくっ付いていて、なかなか裏ブタがはずれなくて難儀しながらなんとか外れた。でも、ベアリングはケースにこびりついたままはずれない。とりあえずCRCを吹きかけておいて後回しにして、先に進む。

29 なんとか空いた、の図。

30 その後、しばらくして後回しにしていた固着したベアリングにCRCが浸透してくれて、ようやくベアリングが外れた。キタネー!

31 こちらがこのリールのメインギア。同じようなパーツが幾重にも重なって構成されているので、記念撮影は重要。

32 分解後も組み立てる際に順番がわからなくならないように並べておく。

33 今回の分解メンテナンスの直接の引き金となったクラッチ部分。ここもバネが使われていたりして、元に戻すのに苦労するポイントなので、しっかり原状を撮影。

34 同じ部分を別角度からも撮影。

35 スプールにつながる部分のギアとベアリングもガッチリ固着していて押しても引いてもはずれない。
これまたCRCをかけてしばし放置するも外れず、最後は軽くハンマーで打撃してようやく外れてくれた。

36 ギア周辺のパーツ

37 これで大体、オシアカルカッタの分解が完了。クラッチのところはバネが嫌だったのでこの時点ではバラしていない。でも結局洗浄時には解体した。

洗浄&グリスアップ&組立


「オシアカルカッタ200HG ほぼ完全分解メンテナンス (準備~分解編)」への7件のフィードバック

  1. あのボディーの穴は水抜き穴でふさいじゃダメみたいですよ。
    構造上、普通に使用しててもスプール方向から海水が侵入することは避けられないので、水シャワーで洗った際に内部に侵入した水で塩を排出する構造になってるみたいです。

  2. わかめ酒さん
    情報ありがとうございます。考えられた穴、安易にふさがないほうがいいんですね。
    もっとも塞いでからは要メンテ状態になる頻度が激減したので、自分的にはお気に入りでした。カヤックで水没させると穴からダイレクトに海水が入るので、それと比べれば洗う際に入るわずかな真水が抜けにくいほうがまだましってことかもしれないなぁ、なんて・・・あくまでど素人の感想で、ご指摘を否定するものでは全くありません。

  3. 本当に本当に本当に参考になりました!
    これからもブログ楽しみにしてます!

  4. ヴリさん
    こんにちは。お役に立てて幸いです!
    今後ともよろしくお願いします。

  5. 11オシアカルカッタ オーバーホールの参考にさせていただきました。
    一部気になる場所があるのですが、画像9のスプリングとナット逆になってませんか?(部品No.16.17)
    スタードラグとナットにスプリングが収まる溝がある筈です。
    もしかしたら私の勘違いかもしれませんが。
    参考にさせていただきありがとうございます。
    ちなみにクラッチのバネ付けるのすごく苦労しました。笑

    1. カザマさん
      コメントありがとうございます。
      確かに逆ですね、偉そうに解説しといて間違うとは、失礼しました。
      おそらく、分解したあとに写真撮るために戻って間違えたかと。
      ↓が正しいですね。
      https://kamakura-kayakfishing.com/2021/07/11/disassemble-and-repair-the-oceacalcutta/
      クラッチのバネ、嫌ですねぇ。最初は冷や汗流しながらやった気がします。

  6. すみません。
    こちらの記事見落としておりましたm(_ _)m
    実は初めてのOHでどちらが正しいのか不安だったんです。
    先日、離岸時に派手に海水浴びて慌ててOHした次第です。

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